嘘は八百、煩悩は百八、足すと九百八=908=俺! というわけでこのアルバムタイトル、ということをCOUNTDOWN JAPAN16/17出演時のMCで知った時は「うまい!」と感心したが、聴くとそれが「すごい!」に変わる。そもそも作品ごとに、ライブごとに新たな目標を己に課して挑んでいくクリエイターだが、4年ぶりであることとレーベル移籍一発目であることが加わったせいか、このアルバム、ことさらそうなっている。やりたいことをやる、作りたいことを作る、言いたいことを言う、伝えたいことを伝える、というのはただの前提で「それで自分と聴き手の未来がどう変わるのか」というところまであたりまえに見据えた、トライと実験と冒険だらけの曲が並んでいる。何よりすごいのが、そうやってトライや冒険を進めれば進めるほど、聴き手にとって開かれた音になっていくこと。いい曲ばっかり、ほんとに自分のために作っていない、人のために作っていることの価値に満ちた作品。にしてもくたびれないよな、ギラギラしたまんまだよなこの人、と、姿勢を正される気持ちになります。(兵庫慎司)