ワイルドに行こう

THE BAWDIES『NEW』
発売中
ALBUM
冒頭の“THE EDGE”のストーンズ直系リフワークから“HELLO”のハードロック的爆走感へと至る展開の時点で、これまでのTHE BAWDIESとはまるで異なる獰猛な佇まいのロックンロールアルバムであることを誰もが感じるはずだ。ラフでワイルドなロックンロールであると同時に、ブルース〜R&Bの先人たちへの憧憬をこめたルーツオリエンテッドな折り目正しさをも備えていた彼らの音楽が、あらゆるリミッターを解き放って感情のフェーダーをMAXまで押し上げたような熱量とスリル――前作『Boys!』以来約2年ぶり・通算6thアルバムとなる今作に渦巻いているのは、そんなアグレッシヴなドライヴ感だ。長岡亮介(ペトロールズ)プロデュースの“SUNSHINE”“HOT NIGHT, MOON LIGHT”、NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)プロデュースによる“NEW LIGHTS”、含む全12曲を覆う、ガレージロック感の強いざらついた音像の中で、ROYのシャウトも4人のアンサンブルもかつてないほどに伸びやかに咲き誇り、それによって彼らの持つ音の色彩感がより明快に浮かび上がってくるのも嬉しい快盤。(高橋智樹)