アンドロイドは電気羊の夢を見るか
amazarashi『命にふさわしい』
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SINGLE
秋田ひろむが「ゲーマーの僕にとってとても嬉しい機会」と、コメントするのは、ヨコオタロウがディレクションするゲーム『NieR:Automata』とのコラボで生まれた新作だからだ。その経緯はWEBで確かめてほしいが、ひとつのテーマのもとに秋田が曲を作り、ヨコオは絵本を作った。新たなアートワークと共に生まれたリード曲は、『NieR:Automata』に登場するキャラクターを連想させる。感情を表さないはずのアンドロイド達は、戦っていくうちに友情や怒りといった感情をあらわにしていく。人間ではない存在の感情は生きている証なのか、それとも科学のギミックなのか。“命にふさわしい”は、そんな大命題をポンと心に落とし込む。カップリングの2曲も角度を変えて同様のテーマを下敷きにしている。雑踏の中にある孤独を淡々と語る“幽霊”の浮遊感が切ない。“数え歌”は前作『虚無病』のアナザーストーリーでサラが歌う曲として制作された新曲で、ピアノやストリングスと共にドラマチックに歌い上げる。最後は“命にふさわしい”の弾き語り。歌の説得力がすべての原動力であると実感する。(今井智子)