ヌンチャクが掲げた「KCHC(カシワ・シティ・ハードコア)」の言葉通り、確かに柏はハードコアの聖地と呼ぶにふさわしい場所だ。00年代もBUDDHISTSONなどのユニークなバンドを送り出してきたかの地から、またまた素晴らしいバンドが登場した。正式なフルアルバムは本作が初となるaie(アイエ)。エモーショナルで美しい、ポスト・ロックやマス・ロックまで見渡した壮大でキャッチーな楽曲が次々に溢れ出してくるアルバムだ。
なんというかこの辺のバンドは、音がハードコアのためのハードコア、或いはロックのためのロックになっていない。音楽の快感原則を忠実に突き詰めた結果としてハードコアでエモーショナルなロックになっているというか、そんな印象を受ける。歌詞が英語詞だからといって洋楽の真似事になるでもなく、不思議とそのメロディは和の情緒を感じさせたりもするのだ。こういう自由で突き抜けたヴァイブスはやはり地元シーンの空気が育んでいる部分もあると思う。この12月には米インディーの有望株アナサロとツアーしていたが、このオリジナリティは海外でも受けそうだ。(小池宏和)