電子音楽の先端が描く美しき混沌

ベン・フロスト『ザ・センター・キャンノット・ホールド』
発売中
ベン・フロスト ザ・センター・キャンノット・ホールド
現在はアイスランドを拠点に活動するオーストラリア出身のエレクトロニック・アーティスト。ブライアン・イーノやビョークとのコラボでも知られるかれのニュー・アルバムで、録音をスティーヴ・アルビニが担当。アルビニが近年この手の非バンド/ロック系のアーティストを手がけるのは珍しいケースだが(※過去にはシルヴァー・アップルズやホワイトハウスなど)、結論から言うとこれが最高の相性を見せている。

ティム・ヘッカーやワンオートリックス・ポイント・ネヴァー以降の電子/現代音楽の先端と評され、アンビエント/ポスト・クラシカルとも接続するかれのサウンドだが、そのフォルムを特徴づけているインダストリアル・ノイズやエレクトロ・シューゲイズ、あるいはブラック・メタル的な意匠―そうしたハード・エッジな部分が、いわばそこを守備範囲としてきた本職のアルビニによって前面に引き出されているところが今作の醍醐味だろう。織りなすエレクトロニックなテクスチャーを切り裂くように走るノイズの亀裂が壮観。リリースに先立ち公開されたジェイリンによるフットワーク・リミックスも併せてぜひ。(天井潤之介)
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