誇り高く美しい、圧巻の傑作

イベイー『アッシュ』

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イベイー アッシュ
ファースト・アルバムが大きな話題を呼んだキューバ生まれパリ育ちの女性双子ユニット。2年ぶりの2作目は、〈XLレコーディングス〉の総帥リチャード・ラッセルが再び自らプロデュースを手がけ、カマシ・ワシントン、チリー・ゴンザレス、ミシェル・ンデゲオチェロといった一癖も二癖もある才人たちがゲスト参加するという万全の態勢で作られた。

姉妹が2人で歌い、アフロ・セントリックなトライバル・パーカッションを叩きエレクトロニックなトリートメントを施す基本形はファースト・アルバムと変わりない。しかし本作は多様なゲストの協力や彼女たち自身の音楽的経験値の向上もあって、アレンジがはるかに多彩になり、サウンドは重厚で変化と起伏に富む。生命力と情感に溢れるボーカルの魅力は、まるでかつてのジミー・クリフのように美しく気高い。カマシが参加した“デスレス”は「全てのマイノリティのため、そして自分たちには何の価値もないと思っている全ての人たち」のためのアンセムで、力強くソウルフルで、しかも神秘的で美しい。圧倒的な魅力に富んだ本作で、イベイーは間違いなく世界的な存在となるだろう。(小野島大)

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