粋なロックは熱いだけではない

爆弾ジョニー『クレイジービートラリアット』

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爆弾ジョニー クレイジービートラリアット
ロックバンドの魅力の形はいろいろあるが、キュンとするフィーリングをほどよく漂わせる人たちは、リスナーの心を激しく惹きつける力を持ち得る。ロックはエネルギッシュであってほしいし、パワフルなサウンドでフラストレーションを吹き飛ばせるのも大切な作用だ。しかし、骨太さの向こう側から甘酸っぱさがふと零れ落ちる瞬間もほしい。とはいえ甘酸っぱさが過剰だとメソメソした感じで気持ち悪い。つまり、パワフルさの向こう側から自ずと漂ってくるロマン、上質な味噌の塩味の狭間から奇跡のように現れるまろやかな甘い香りのようなものを持っているというのが、ロックの理想的な形のひとつだと思う。そして、そういうテイストを絶妙に発揮できるのが爆弾ジョニーだ。今作でも熱く昂ぶる心と身体の奥を素敵な哀愁の風が吹き抜けるような感覚を何度も味わえる。ざらついたサウンドが男くさい“アクセル”、力強いビートが躍動する“MELODY”、まっすぐな道を車で走るような爽快感がある“REAL WiND”など、強力なナンバーの数々が胸をときめかせてくれる。文句なしに気持ちいい1枚だ。(田中大)

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