こちとら真剣なんだ

椎名林檎『逆輸入~航空局~』
発売中
椎名林檎 逆輸入~航空局~
椎名林檎が編んだセルフカバーアルバムの第2弾。椎名林檎に楽曲提供してもらう側の喜びと緊張感は相当なものだろう。自分は歌い手でもないのにそれを妄想しただけで身震いする。同時に椎名林檎という音楽家は、楽曲提供をする際にその歌い手が与えられた天賦の使命を代弁するように、その歌い手の生き様に憑依するようにして詞曲を書いているのだと本作を聴いて確信する。ここに、実は椎名林檎がシンガーソングライター気質もさることながら、いかにプロデューサー気質の強い音楽家であるかという証左がある。さらにすごいのは、彼女が誰かに託す曲は、自らのオリジナル楽曲と同等の強度を持った、「時代と市井」に問いかける大衆歌として機能しているところだ。そこに彼女の私利私欲は一切介在していない。本作で言うと、高畑充希への“人生は夢だらけ”がもっとも顕著だろう。SMAPへの“華麗なる逆襲”も今改めて椎名の歌唱で聴くとゾクッとする。極めて贅沢なチームで、極めて豊潤なアレンジメントが施されたサウンドプロダクションがまた、本作の凛然たる態度を引き立てている。(三宅正一)

※記事初出時、内容に誤りがありました。訂正してお詫びします。
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