命の輝きに満ちたスカパンク

KEMURI『【Ko-Ou-Doku-Mai】』
発売中
KEMURI 【Ko-Ou-Doku-Mai】
前作『FREEDOMOSH』から11ヶ月ぶりに出る13thアルバム。過去最短のハイペースぶりを見ても、今届けたいこと、伝えたいことが溢れているのだろう。今作も意識が覚醒するスカパンクの圧倒的な高揚感を叩き付けると同時に、レベルミュージックの機能を果たす鋭いメッセージもふんだんに盛り込まれている。希望、挑戦、反戦、反核などを高らかに歌い上げる歌詞の根っこには、世界中の生きとし生けるものよ、幸せであれという願いに貫かれている。彼らのラブ&ピースの姿勢は微塵もブレていない。とはいえ、花嫁の父をコミカルな描写で綴った軽快な“FATHER OF THE BRIDE”みたいな曲調にもほっこりした。個人的に最大の聴きどころはラストを締めくくる“STILL HOPE”から表題曲の流れに尽きる。特に後者は全編日本語詞により、曲名の「孤往独邁」(周りや他人に左右されず、自らの信じた生き方を突き進むという意)という精神を力強く体現したサウンドを鳴らす。渾身のエネルギーを振り絞った伊藤ふみお(Vo)の歌声とそれを守り立てる勇壮なコーラスと演奏に激しく感動した。(荒金良介)
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