「全曲が最進化形」の衝撃と戦慄

キング・クリムゾン『ライヴ・イン・シカゴ 2017』
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キング・クリムゾン ライヴ・イン・シカゴ 2017
ビル・リーフリンがキーボードとして復帰して8人編成の最強ラインナップが実現したのに加え、“インディシプリン”、“ニューロティカ”といった80年代の楽曲もレパートリーの仲間入り、というクレジットの無敵感だけでも胸躍る17年シカゴ公演のライブ盤だが、何より圧倒的なのは、すべての楽曲を最進化形へと導いてみせた、精緻でダイナミックな演奏そのものだ。トリプル・ドラムに加えキーボード奏者も計3人擁することになったアンサンブルがさらに美しくアバンギャルドに描き出す、ロックの謎とスペクタクル。メロトロンの凍てついた音色でギターの歪みにも劣らぬ狂騒や衝撃を描き出す、唯一無二の音楽的価値基準に貫かれた表現空間。新曲“エラーズ”の、聴く者しだいで4拍子と6拍子のどちらにも響いてくるリズム・ワークと複層的なグルーヴに至るまで、半世紀近くにわたる己のキャリアを常に更新し続ける壮絶な在り方を血肉化した探究者=ロバート・フリップの凄味の結晶。(高橋智樹)
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