ピンク・フロイド『狂気』VS キング・クリムゾン『太陽と戦慄』――プログレッシブロック究極の名盤、50周年記念徹底解剖!

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現在発売中のロッキング・オン3月号では、共に50周年を迎えたピンク・フロイド『狂気』と キング・クリムゾン『太陽と戦慄』の比較検証特集を掲載しています。
以下、本記事の冒頭部分より。



文=増田勇一

『狂気』と『太陽と戦慄』の比較解説。これはなかなかの難題だ。性質の異なるもの同士を比べる難しさと、時代背景やカテゴリー的に共通項を持つからこその厄介さがある。たとえば絵画と彫刻とではどちらがより芸術性が高いのか、何かの間違いでゴジラとウルトラマンが闘うことになったらどちらが強いのか、といった次元の話ではないだろうか。

両作品は今から50年前、1973年3月に発表されている。厳密に言うと3月1日に『狂気』が、その3週間後に『太陽と戦慄』がリリースされていて、同じ頃にはT・レックスが“20センチュリー・ボーイ”のシングルを出していたりもする。

それから半世紀の経過における売上実績からみれば、結果は『狂気』の圧勝ということになる。全英チャート2位という記録はそこに至るまでの流れからすると順当といったところだが、前作までトップ40入りしたことすらなかった全米チャートでは首位を獲得。それ以降、長きにわたり200位圏内に居座り続けてきた。ちなみにこの1月21日付のビルボードを確認してみると、依然として167位に名を連ねていて、966回目のランクインとなっている。途中、カタログ作品が同チャートから外されていた時代があったためにこのような記録にとどまっているが、そうした事情がなければとうに1000回を超えていたはずだ。

それに対して『太陽と戦慄』は、全英チャートでは20位を記録しているものの、アメリカでは最高61位止まりだった。ただ、この記録は当時の彼らとしてはごく普通といえる。セールス面ではビートルズの『アビイ・ロード』を首位から引きずり下ろしたとされるデビュー作、『クリムゾン・キングの宮殿』(1969年)が群を抜いているのだ。ただし同作の実際の全英チャート最高記録は5位だったりするのだが。(以下、本誌記事へ続く)



ピンク・フロイドVSキング・クリムゾン特集の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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