一発で聴き手の印象に残りやすいのは、“あの子が横に座る”のような変拍子を効果的に使用したタイプの楽曲かもしれない。しかしこの作品を聴けば、バンドの軸にあるのはあくまで、心象・情景描写を一層美しくさせるような、アンサンブルにおける歌心だということがわかるだろう。特にそれがよく表れているのが、裸の弾き語り“埃をかぶった時刻表”、そしてその流れを引き継いで始まる“100㎡の中で”というラスト2曲。歌心がしっかりと芯に据えられているからこそ、旋律を正面から聴かせるアプローチにも踏み切れるし、オルタナ的な変化球に挑むことも可能になるわけだ。解体新書的でいて、バンドのポテンシャルも感じさせてくれるような快作。(蜂須賀ちなみ)
歌があればどこへでも行ける
ユアネス『Ctrl+Z』
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一発で聴き手の印象に残りやすいのは、“あの子が横に座る”のような変拍子を効果的に使用したタイプの楽曲かもしれない。しかしこの作品を聴けば、バンドの軸にあるのはあくまで、心象・情景描写を一層美しくさせるような、アンサンブルにおける歌心だということがわかるだろう。特にそれがよく表れているのが、裸の弾き語り“埃をかぶった時刻表”、そしてその流れを引き継いで始まる“100㎡の中で”というラスト2曲。歌心がしっかりと芯に据えられているからこそ、旋律を正面から聴かせるアプローチにも踏み切れるし、オルタナ的な変化球に挑むことも可能になるわけだ。解体新書的でいて、バンドのポテンシャルも感じさせてくれるような快作。(蜂須賀ちなみ)