幅広い世代に深く愛されているキャラクター、誰もが知っている歴史上の人物を
レキシが描いたらどうなるのか? その答えは言うまでもなく「楽しくなるに決まってる!」だ。まず、“GET A NOTE”は、TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のエンディングテーマ。「GET A NOTE=下駄の音」を主要なモチーフに据えた爽やかなバンドサウンドは、何処となく郷愁を誘う。夕暮れ時の道の上に揺れる影法師に物の怪のような妖しさを感じた幼年時代の記憶が、ふと蘇る気がするナンバーだ。そして、大河ドラマ『西郷どん』のパワープッシュソング“SEGODON”は80年代テイストの音色やリズムで彩りながら、陽気なメロディを伸び伸びと響かせている。ファンキーなフィーリングを根底に帯びつつも、その要素をさらりとさり気なく聴かせているのがかっこいい。親しみやすい題材やライブの桁外れの面白さというキャッチー極まりない門戸を開放しながら、極上のグルーヴを老若男女に無意識の内に体感させるという偉業を実は成し遂げているのがレキシだが、今作のサウンドのクオリティの高さもとんでもない。(田中大)