いわゆる作詞作曲を手がけるフロントマンがバンドの舵取りをするのではなく、メンバー全員が主役になる「個の強さ」がPENGUIN RESEARCHの魅力だ。そうやってメンバーの個性を生かしたハイエナジーなバンドサウンドを武器にして、自分たちの道を切り開いてきた彼らは、ついに7月に初の日比谷野音ワンマンを成功させた。その野音でも初披露された2曲を両A面として収録するのが、ニューシングル『WILD BLUE / 少年の僕へ』。それぞれTVアニメ『ゾイドワイルド』の挿入歌とエンディングテーマとしてオンエアされている。骨太でストレートなアメリカンロック“WILD BLUE”、アコースティックな音色と手拍子にのせて、《最近生きててよかったってたまに思うよ》というメッセージがバンドの生き様ともリンクする“少年の僕へ”に加えて、キーボードの柴崎洋輔を、音でも歌詞でもフィーチャーした（むしろ「イジった」と言うべきか）遊び心溢れるライブアンセム“ハードロック☆パラダイス”という全3曲。メンバー全員の個性を凝縮するからこそ、その濃度に圧倒されるヘヴィ級のシングル。（秦理絵）