ポップとロックの彼方へ

チャットモンチー『告白』
2009年03月04日発売
ALBUM
チャットモンチー 告白
前兆はあった。昨年、武道館でいきなり新曲“風吹けば恋”をぶちかました時。夏フェスで何万人ものオーディエンスを前にして最後に“ひとりだけ”を鳴らした時。11月の先行シングル“染まるよ”の大人っぽくダイナミックな展開――そのすべてが今作に繋がっている。≪誰にも褒められない歌と ここで 溺れながら 流されながら≫≪わたしは海から出た魚 気持ちいいのはもう飽きた≫(“海から出た魚”)とか、≪ねぇねぇだけど子猫ちゃん ひとりどこまで行くの 小さな体を凛として わかるもんかと 歩いていった≫(“CAT WALK”)とか、あらゆるものを振り切って自由を闊歩する意志が、歌詞にも、大胆に展開するメロディにも溢れている。前作『生命力』の成長とは七五三や成人式のように赤飯炊いてみんなで祝うような類のものだった。でも今作では、人はたったひとりでひっそりと大人になってゆくのだという厳しさがある。なのにラスト“やさしさ”で再び聴き手へ大きく手を伸ばすところがチャットの怖ろしい才能だ。曲によってプロデュースを変えたり、阿波踊りのリズムを取り入れたり冒険も多く、特にM3〜7は圧巻! 心臓が震える。(井上貴子)
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