4年ぶり? 17年ぶりだろ

スリップノット『オール・アウト・ライフ』
発売中
SINGLE
スリップノット オール・アウト・ライフ

ロック・バンドが長いキャリアの中で原点回帰するというのは、何も珍しい話ではない。当然、バンドがそれまでに積んできた経験がなくなることはないので、それが功を奏する場合が大抵ではないだろうか。むしろ、正直なところ「結局初期の感じが一番良いんだよな」と思わせるバンドは決して少なくない。しかし、ことスリップノットに対してはそうした思いを抱き得なかった。徹底した品質管理により、音楽性が経年変化しようとこれまで発表した作品全てが高水準を保ってきたこともそうだが、何より彼らの初期の音楽性の苛烈さ。あの全身全霊以上の何かを絶えず振り絞り続けた末に到達するであろう超越した音楽を、来年でデビュー作から20周年、40代となった彼らに求めるのはあまりに酷であり、現実味のないことのように思えたからだ。

それゆえ新作の制作を開始した際のインタビューでコリィが「新作は『アイオワ』級にヘヴィなものになる」と語ったときも半信半疑の心持ちだった。しかし、である。ハロウィンに公開されたこの新曲だ。正しく『スリップノット』並みの絶妙なポップ成分が配合された、『アイオワ』に入っていてもおかしくない怒涛の勢いの殺人チューン。それが、表現力を増した今の彼らの演奏とプロダクションで仕上げられている。起きるはずのなかったことが、奇跡が確かに起きているのだ。この一大事に対し、1週間でYouTube 1000万再生というスケールでファンは快哉を叫んでいる。しかも、前述のインタビューではバンドは16 曲のデモを手掛けているとのことであった。もしも「この」スリップノットがアルバム一枚分結実するとしたら、世界はもう一度彼らにぶん殴られることになるかもしれない。そんなゾクゾクするような予感がする。(長瀬昇)



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スリップノット『オール・アウト・ライフ』のディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
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スリップノット オール・アウト・ライフ - 『rockin'on』2019年1月号『rockin'on』2019年1月号
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