先頃から話題になっていた、コールドプレイが変名のロス・ウニダデス名義で参加するチャリティーEP。ファレル・ウィリアムスとの共作曲“E-Lo (feat.Jozzy)”、南アフリカのヒップホップ・アーティストであるキャスパー・ニョヴェストとタッグを組んだ“Timbuktu (feat.Stormzy & Jess Kent)”、そしてスターゲイトとの“Voodoo (feat. Tiwa Savage, Wizkid, DannyOcean & David Guetta)”という3曲のほか、スターゲイトがネルソン・マンデラの演説をフィーチャーした“Rise Up (feat.Nelson Mandela)”を提供し、計4曲が収録されている。Global Citizenは世界中の人権や貧困の問題に取り組む支援団体であり、音楽フェスを開催しながらその呼びかけを行ってきた。コールドプレイのクリスは同フェスのキュレーターを務めている経緯があり、国籍やジャンルを超えてアーティストたちが賛同する作品が生まれたわけだ。
さて作風についてだが、全4曲を通して言えるのはアーシーな広がりを持つディープ・ハウス寄りのトラックが揃っているということ。ロス・ウニダデスは正しく変名の課外活動というふうに、伸び伸びとした活躍を見せている。“E-Lo (feat. Jozzy)”はポジティブで啓発的な歌詞がさもありなんというところだが、アフロなファンク・グルーヴとコーラスのデザインがファレルっぽい仕事で印象的。ニュー・ジャック・スウィング風のリズムの土台を無国籍ダンス・ポップへと仕立て上げた“Timbuktu(feat. Stormzy & Jess Kent)”は、最も完成度の高いキャッチーさが発揮されていて好みだ。そして“Voodoo〜”は、アフロ・ギターやパーカッションのブレンドが効いたアップリフティングなダンス・チューンで、シンガロングを誘発するコーラスがフェス映えしそう。(小池宏和)
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V.A.『グローバル・シチズンEP1』のディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。
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