スマホアプリと連動させた前代未聞の日本武道館ワンマンの衝撃も冷めやらないなか、
amazarashiがリリースするニューシングル『さよならごっこ』。まずサウンドから言えば、これまでの重厚感のあるバンドサウンドだけでなく、打ち込みを使ったエレクトロなアプローチが印象的。アルバム『地方都市のメメント・モリ』以降、「言葉」だけでなく「音像」のほうへも、バンドが意欲的なチャレンジを続けている姿勢を強く感じる。特に、ポエトリーリーディングをメインにしたカップリング曲“それを言葉という”は秀逸。「言葉」と真正面から対峙した武道館ワンマンが決して答えではなく、ひとつの問題定義にすぎなかったことを告げるように、再び「言葉」を主題に据えた楽曲はスタイリッシュな音像のなかで生々しい「うめき声」を紡ぐ。手塚治虫原作による未完の傑作のアニメ化『どろろ』のエンディングテーマとして、「宿命」をキーワードに作品に寄り添った表題曲“さよならごっこ”、人が人を傷つけ合う街の喧噪を厳粛なサウンドにのせた“アイザック”も含めて、今作も容赦なく嘘のない言葉が心をえぐる。(秦理絵)