暗闇の中にある確かな光を感じる

宇多田ヒカル『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018』
発売中
Blu-ray&DVD
宇多田ヒカル Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018
国内では約12年ぶりとなったツアーの、幕張メッセでのファイナル公演を収録した映像作品。オープニングからラストまで、MCもアンコール曲も、その日のすべてがここに映し出されている。見どころを挙げればキリがない。曲が進むにつれてグルーヴが加速していく様子や、客席の反応を受け取って思わず彼女が涙ぐむ姿など、シンプルながら臨場感あふれるカメラワークに引き込まれていく(ライブ中盤に挟み込まれた又吉直樹によるコント映像もノーカットで楽しめるのが嬉しい)。ダンサーの高瀬譜希子の登場で彩られた“ともだち”や、宇多田が日本語ラップを挟み込んで驚かせた“Too Proud”などは、こうして映像作品として観られることがとても貴重であり、その表現に滲む美しさと切なさに感嘆する。また、終盤の“First Love”から“初恋”へと続く流れなど、彼女が歩んできたキャリア20年の道のりが凝縮されているようにも思えた。その歌声は言うまでもなく、手練れのミュージシャンたちによるバンド演奏は洗練の極みで、これほどエンドレスで流しておきたくなる映像作品も珍しいと思う。(杉浦美恵)
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