2018年11月にグループを卒業後、本格的にシンガーソングライターとしての活動を始めてから初となるフルアルバム。2019年にリリースした3枚のシングルの収録曲に新曲を加えた計11曲を収録している。
シンガーソングライターのプロデューサー陣というと1~3名が主流であるが、今作で山本がタッグを組んでいるのは計9名。亀田誠治、小林武史といったJ-POPを支えるキャリアの持ち主から、LUCKY TAPESのKai Takahashi、ACIDMANの大木伸夫、SIRUPのプロデュースでも知られるMori Zentaroなど、それぞれ異なる音楽性に特化した手練れが揃う。彼女の作る楽曲や凛々しい歌声も、ギターロック、パンク、ポップス、スウェディッシュポップ、シティポップ、バラードなど様々なジャンルと親和性が高い。歌詞も自身の心情を赤裸々に綴るもの、物語に落とし込むものなど多岐にわたり、そのすべてをスマートに乗りこなすバランス感覚には感心するばかりだ。まだ彼女の才能が未知数であることを実感すると同時に、今後どんな強みを見出していくのか、大いに期待が高まった。(沖さやこ)
未知なるポテンシャル
山本彩『α』
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