なぜその歌声はシーンに浸透するのか

milet『eyes』
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ALBUM
milet eyes
メジャーデビューを果たして1年余、その間に我々はポップカルチャーの様々な場面で、miletというアーティストが誇る表現の巨大なスケール感に触れてきた。日本語/英語を滑らかに行き来するバイリンガルであること、時にシーアを彷彿とさせる、情念の迫力に満ちたハスキーボイスの持ち主であることなども重要だが、この待望の1stアルバムに触れて、ようやく彼女の「表現のスケール感」の本質が掴めた気がする。milet作品の曲調は、フューチャーベース的なポストEDMから重厚なシンフォニックポップまで様々だけれど、どの曲においても、日本のポップスと世界基準のスタンダードを一跨ぎにしてしまうような懐の深さが感じられるのである。もちろん、作詞作曲のコライト含めて手腕を振るうToru(ONE OK ROCK)、TomoLow、Ryosuke "Dr.R" Sakai、そしてKamikaze Boy (MAN WITH A MISSION) といったプロデューサー陣の貢献度も高いのだが、miletは同時代的なサウンドやリズム、グルーヴの中で、最も適したメロディや歌唱法を選び、響かせる能力に長けているのではないだろうか。(小池宏和)

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