これが新たな始まりになる

KANA-BOON『Torch of Liberty』
発売中
SINGLE
KANA-BOON Torch of Liberty
アッパーな4つ打ちのビートとギャンギャン鳴るギターのリフ。キラリンと鳴るシンセが、ベスト盤を経てアップデートされた王道を邁進するKANA-BOONの姿を後押しする。“シルエット”しかり“まっさら”しかり、幸福なアニメとのコラボレーションがバンドにとってターニングポイントとなる重要曲を生んできたことはファンであれば知ってのとおり。アニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』のOPに書き下ろされたこの曲もまさにそういう存在になっていくはずだ。《黙って痛みに耐えるなんて時代はもう/僕らで最後さ》という歌詞にはバンド自身の物語だけでなく世の中の重い空気や人の苦しみまでをも背負い込もうとする谷口鮪の思いが透けて見えて、結果彼が休まないといけない状況になった今にして思えば正直「重すぎない?」と言いたくなる気持ちもあるが、同時にこの曲にはそれをぶっちぎろうという勢いもちゃんとある。《暗い車道 悲しみの影に君が包まれても/さぁ セイハロー 立ったのなら歩き出そう》。この力強い言葉を鮪が堂々と実感をもって歌える日を、僕は焦らずゆっくりと待ちたいと思っている。(小川智宏)

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