グルーヴの進化と、魂の回帰

the telephones『NEW!』
発売中
ALBUM
the telephones NEW!
ライブ活動は随分前に再開していたし、昨年の“Light Your Fire”以降は配信シングルもリリースしていたので、かなり首を長くして待たされた感のある、そのぶん聴き応えも膨らむ5年ぶりのアルバム。“Changes!!!”や“New Phase”といったふうに、久々のアルバムに向けた意気込みを窺わせるタイトルも目につくけれど、決して気負いしすぎることなく最良のバンドグルーヴを立ち昇らせ、グッドメロディを紡ぎ、独創的にしてキャッチーなフックを張り巡らせている。勢い任せではないテレフォンズの魅力を、4人で丹念に構築してきた様子が窺えるのだ。たとえば前述の“New Phase”も、気怠そうにごちる《Do the right thing》(やるべきことをやろう)というオートチューンのリフレインと、感傷的なサウンドに満ちている。長島涼平(B・Cho)による作詞・作曲の“Sleep Walk”から匂い立つメランコリアも素晴らしい。このムードは、かつてテレフォンズが’00年代に共振していたニューレイヴムーブメントのそれに近い。後半の“Route 17”以降は、きっちりと爆発力も見せつけてくれるので信頼感抜群のバランスだ。(小池宏和)

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