母が娘に抱く無償の愛、いつかは離れ離れになってしまう日がやってくるという切なさ。そして、本ドラマの特色である友達母娘の目線。そういった多面的な関係性が、すべてを包み込むような柔らかく優しい川上のメロディと家入の歌によって綴られている。編曲も[Alexandros]と佐瀬貴志が手掛けており、バンドサウンドとストリングスが巧みに絡み合い、複雑な感情をシンプルにまとめあげている。
川上洋平節とも言える、細かく弾むように高低差を刻む歌メロの難易度はとても高かったと思われるが、家入は身も心も“空と青”の世界に委ねるように、かつてないほどに母性溢れる歌を聴かせる。少年性と10代の棘を感じさせる凛とした“サブリナ”でデビューしてから約9年。歌い手としての進化の途中だからこそ出会った、今後の可能性をさらに広げる懐の深い楽曲。(小松香里)