The xxのロミーが昨年発表した“Lifetime”は、本隊のモノクロームなイメージと対照的に、カラフルで祝祭感に満ちたソロ・デビュー曲。コロナ禍の孤独感をポジティブなエネルギーに転換させることで、ロックダウン時代のダンス・アンセムとして高く評価された。
そんな同曲のリミックス集では、17歳の頃からDJとしてクィア・クラブに出入りし、自身もレズビアンである彼女の意向を反映し、女性及びノンバイナリーのアーティストが集結。
ジェイダ・Gによるジャジー・ハウス解釈は、The xxの一大ルーツでもあるエヴリシング・バット・ザ・ガールの90年代を想起させるもの。プランニングトゥーロックは、ロミーの歌声をスクリューさせつつアッパーなシンセ・リフを添えることで、カイリー・ミノーグやロビンの系譜に連なるLGBTQ讃歌としての側面を強調している。(小熊俊哉)
ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。
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