マカロニえんぴつの勢いが止まらない。それは、動員とかタイアップの話題性とかではなくて、アルバム『hope』、メジャー1stEP『愛を知らずに魔法は使えない』、そして、この『はしりがき』に至る、「名曲」量産モードにおける無双っぷりだ。『はしりがき』なんてタイトルだが、それぞれ1曲の中での緻密な構成も、4曲すべて色の違う幅の広さも、ますます多方面に奥行きが増している。
タイアップのテーマにマカえん流にばっちり応えるパンチライン満載の歌詞も、磨き抜かれたメロディもいい。が、何より、はっとり(Vo・G)のボーカルを軸に置きつつ、決して歌だけが主役ではない!と主張するようなアレンジと、メンバーそれぞれの音が立っているミックスのバランスが素晴らしい。クラシカルなロックナンバーを匂わせるフレーズを入れ込み、あくまでメインはギター、ベース、ドラムに鍵盤というスタンダードな「バンド」の音。表面的には文句なく2021年を彩る極上のポップスでありながら、その実、時代性なんてガン無視レベルの熱いバンドサウンドが脈打っている。死角ナシの一枚。(後藤寛子)
最後の1秒まで聴き所
マカロニえんぴつ『「はしりがき」EP』
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