時代をこえて手向けた音楽の花束

YUKI『Terminal』
発売中
ALBUM
YUKI Terminal
10枚目のアルバムで『Terminal』と名づけられると、いろいろと深読みしたくなってしまうけれど、聴き心地はとっても軽やか! 前半は打ち込みの楽曲が多く、小気味いいビートに、気持ちよく身を委ねることができる。そんな中で光るのは、今を生きる洗練されたトラックの上で、流れるように、でも、しっかりと心に留まる言葉を連ねて、歌いこなすスキル。これを日本語詞で、風刺もトキメキもユーモアも混ぜ込みながらやってのけているんだから圧巻だ。まさにJ-POPのアートの極み!と言いたくなる。

中盤の、スウィートな“ベイビーベイビー”、アコースティックなバラード“雪が消してく”あたりから、徐々に生感のある、郷愁をくすぐるサウンドへ。“チューインガム”でポップスの原風景にとことんタイムスリップすると、“灯”では普遍的な世界に立ち、《それぞれの場所で胸張り 咲き誇れ》と歌い上げる“はらはらと”でアルバムは締め括られる。過去、現在、未来にあるすべての人に手向けた音楽の花束のような、愛をもってボーダレスを生きるアーティスト・YUKIだからこそ産み出せた傑作。(高橋美穂)

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