「今、ここ」を輝かせる神話の歌声

Aimer『Walpurgis』
発売中
ALBUM
Aimer Walpurgis
『Sun Dance』『Penny Rain』の2作品同時リリースから約2年ぶりとなる6thアルバム。ドラマ主題歌の“STAND-ALONE”や“Torches”、“春はゆく”など大型タイアップを伴った既発曲群を収録しながらも、「北欧の春の祝祭=ヴァルプルギスの夜」をテーマに掲げた作品性の地平に配置されることで、個々の楽曲の神秘性が新たな荘厳さとスケール感をもって胸に迫ってくる。さらに加えて、Vaundyのアーバンなポップ感と響き合いながら夜の逃避行の如き心地好いスリルを描き出す“地球儀 with Vaundy”。“春はゆく”に続き梶浦由記の手による壮麗なメロディワークが、Aimerの歌声を凛と燃え上がらせる“wonderland”……といった新曲も含め、Aimerの表現の色彩感と輝度がよりいっそう鮮やかに結実している。今この時代の現実を生きる僕らを、見果てぬイマジネーションの果てへと導く、いや「今、ここ」こそが奇跡の宝庫であることを気づかせてくれるAimerの歌は、それ自体がいよいよ神話の如き存在感を帯びつつある――ということを、全14曲の展開を通して鮮烈に伝えてくれる名盤。(高橋智樹)

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