とてもプリミティブ

橋本絵莉子『日記を燃やして』
発売中
ALBUM
橋本絵莉子 日記を燃やして
2018年7月にチャットモンチーを完結させた橋本絵莉子。これまでゲストボーカルや弾き語り、デモ音源の発表といった活動をしてきたわけだが、ついに初のソロ作品がリリースされた。チャットの男陣のメンバーでもあり、橋本がアマチュア時代にコピーしていた憧れのハイスタ・恒岡章(Dr)、そして曽根巧(G)、村田シゲ(B)という名うてのメンツと制作された10曲を収録。全曲作詞作曲は橋本。編曲はバンドメンバーとともに行い、2018年から2021年に作った曲が万遍なく収録されている。

誰かに聴かれることを想定して作られていない楽曲群は、まるで日記のように日常の機微や悲喜こもごもをそのままゴロッと吐き出したような質感がありながら、フィクションとノンフィクションがシームレスに混ざり合ったような情景描写がさらに橋本が見ている/感じている世界そのものを言語化したような感触を醸し出している。素朴で無骨なバンドアンサンブルと相まってとてもプリミティブな印象だ。チャットとはまた大きく違う、音楽家・橋本絵莉子の底知れなさにワクワクさせられる。(小松香里)

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