25周年に向けての濃密な前夜祭

スガ シカオ『Sugarless Ⅲ』
発売中
ALBUM
スガ シカオ Sugarless Ⅲ
オリジナルアルバムには未収録の曲、他のアーティストに提供した曲のセルフカバーを中心に構成する『Sugarless』シリーズの第3弾。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』主題歌“Progress”の15年ぶりの再録のためにkōkuaのメンバーが集結、KAT-TUN“Real Face”のセルフカバーのために作曲者であるB’zの松本孝弘が新アレンジ、Little Glee Monsterへの提供曲“ヒカルカケラ”をセルフカバー……などなど、要注目のポイントが満載なのだが、4曲の新曲にも痺れさせられる。ここでは詳述を避けておいたほうがよさそうなことを描いている新曲“JOKER”が本当に素晴らしい。ジョーカーが何を示しているのかわかった時、悲哀とユーモアが入り混じったこの曲の破壊力は劇的に増す。1stアルバム『Clover』に収録されていた“SWEET BABY”を聴いた時、背徳感を噛み締めつつ爆笑した直後、心地好い哀しみに包まれたことをふと思い出した。来年の2月でデビュー25周年を迎えるスガ シカオは、やはりファンクミュージックの本質にある毒気を絶妙に捉えてポップスへと昇華する達人だ。(田中大)

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