ライブバンドらしいナチュラルな進化

SHANK『STEADY』
発売中
ALBUM
SHANK STEADY
『Candy Cruise EP』からは、約1年5ヶ月ぶりのリリース。しかし、フルアルバムとしては『Honesty』以来、なんと5年ぶりとなる。その間、主催する「BLAZE UP NAGASAKI」の規模を拡大し、バンドとしても風格が出てきた今。それは音楽的な進化に結実し、ここに収録された全13曲に落とし込まれている。

もともと、メロディックパンクやスカに留まらないルーツを持つ、しなやかな感性の3人が集結したバンドだと思っていたけれど、今作からは、それを表現できるソングライティングのスキルや演奏力が身についたことがわかる。特に中盤、HEY-SMITHのホーン隊が参加した“Mind Games”あたりからは、起伏に富んだ展開が訪れる。なかでも“Karma”や“Poker Face”は、歌とギターとリズムが三位一体となって、アンサンブルや音色で新たな風を吹かせている。それでいて、ライブで跳びたくなるアッパーなメロディックパンクも健在。キッズと向き合いながら育んできた軸はそのままに、グラデーションのようにナチュラルに幅を広げているのだ。気が早いけれど、この先の進化まで楽しみになる一枚。(高橋美穂)

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