9月10日から開催中のデビュー25周年ツアー「ENTERTAIN」のタイトルナンバー“Entertain”。トラップのリズムに導かれる精緻なサウンドスケープが、《さあ Play the drums!》のコールとともにパワフルなバンドアンサンブルへと塗り替わり、歌と演奏は終盤に向けてダイナミックな躍動感を増していく……というドラマチックな展開を4分弱の楽曲に凝縮した、ラウドミクスチャーバラードとでも呼ぶべき圧巻のサウンドデザイン。なおも困難な状況の中、《それぞれがエンターテイン 誰もが表現者》《仕舞い込んだ思い 曝け出していいよ/躊躇せず止まんな踊れ揺れ続け》というフレーズを通して、抑圧された数多の衝動との連帯を改めて掲げてみせる揺るぎない使命感。そして、《さあ逆襲の時だ ほら/その声を僕に 聴かせて》というKjの言葉をきっかけに、壮麗なコーラス鳴り渡る圧巻のクライマックスへ――。今を生きる者の憂いも痛みも抱き締めながら、そのすべてを雄大なロックの地平へと導いていく。最高のロックバンドの証明そのものの、荒野の時代のマスターピースだ。(高橋智樹)
荒野の時代に轟く、ロックの存在証明
Dragon Ash『Entertain』
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