もっともっと広い場所へ向かって

SIX LOUNGE『ジュネス』
発売中
EP
SIX LOUNGE ジュネス
まず、初っ端から歌モノに振り切ったバラード“相合傘”で意外性と共に歌唱力の高さが見せつけられる。続く“New Age Blues”も初めて導入された四つ打ちのビートが腰を揺らす高速ダンスロックナンバーとなっており、意欲的な楽曲が並ぶ。彼らのイメージを更新する新たな名刺代わりにこの強力な2曲はなり得るのではないか。リリックに目をやれば、“相合傘”は失恋、“New Age Blues”は社会への違和感と、どちらも自らの目線から言葉が綴られている。しかし、そこから“Morning Glow”はツアーで自分たちを待つファンに向けたメッセージ、“ドレミ・ゴー”は闘う人への応援歌、そして“Shine”はコロナ禍において不安に苛まれる人々に向け優しく語りかける曲、という風に、曲が進む毎に広く外の世界へと視点が開かれていくのである。最後に高校3年生の頃に書いた過去の代表曲“メリールー”の再録を収めているのは自身の原点も忘れないという意識ゆえかもしれないが、それにしても《きっと何度だってこの壁を壊して/進むんだ 今未来へ》(“Shine”)という誓いの鮮烈さには胸が高鳴ってしまう。(長瀬昇)

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