原作を読めばわかるが、曲の前提にあるのは、主人公のスレッタと、彼女が乗り込むモビルスーツ・エアリアルの関係性である。人間と機械。しかし、この両者の間にあるのは「兄妹」のような関係性であり、そこにある親密で対等な愛情が、エアリアルからスレッタへの眼差しとなって曲に表れている。一曲の中で波打つように表情を変えていくサウンドと歌声は、時に力強く鼓舞するように、時に優しく包み込み守るように、このあたたかな眼差しを見事に結晶化している。
《誰かが描いたイメージじゃなくて/誰かが選んだステージじゃなくて/僕たちが作っていくストーリー/決して一人にはさせないから》――この曲で描かれる「祝福」の在りようは、もしかしたらAyaseとikuraの間にあるものに限りなく近いのかもしれない。聴きようによっては、YOASOBIのテーマソングのようにも聴こえてくる一曲である。(天野史彬)