早くも出た決定打

KALMA『NO BORDER』
発売中
MINI ALBUM
KALMA NO BORDER
編成も音楽性もキャラクターも、今どきのライブハウスバンドな感じだけど、でも何か違うな、何かあるのでは、と、曲を聴き、ライブを観るたびに思ってきた者からすると、「ほらやっぱり!」と言いたくなる、なので「決定打!」と決めつけたくなるサードミニアルバム。作品のイントロダクションである“DEBAYASHI ROCK”を経ての2曲目“隣”が、いきなり素晴らしい。《好きなものが一緒じゃなくて 嫌いなものが一緒の僕ら/君が下を向いてたら 僕も下を見て 同じ景色を見に行くよ》とか、「そう、そういうこと!」と言いたくなる。“ボーダー”にしろ“24/7”にしろ“優しい嘘”にしろ、勢いに満ちてポジティブでありながら、ちゃんと「苦い」。戻れない過去や曖昧な未来じゃなくて、「今」が鳴っている、どの曲も。つまり、確かなものが音になっているし、畑山悠月(Vo・G)のメロディメーカーとしての能力もアップしている。歌は素の声で前に出して、各楽器は鳴っているさまをできる限りそのまま録るという、レコーディング方法等も含めて、今のKALMAを表す最良の形だと思う。(兵庫慎司)

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