KALMA、メジャーデビュー作『TEEN TEEN TEEN』に込めた「10代の集大成」

KALMA、メジャーデビュー作『TEEN TEEN TEEN』に込めた「10代の集大成」

俺も結構悩んでいたんですよね。就職してバンドやろうかとか大学に行こうかとか。でも音楽やる人間としてしっかりしなきゃなって(畑山)


――結成が2016年?

畑山悠月(Vo・G) 4月で丸4年すね。でもこのメンバーになったのは2017年の9月とかなんですけど。

――結成したきっかけって何だったんですか?

畑山 俺はギターを中学校の頃からやってたりしたんです。ベースの陸斗は小中高同じなんですけど、家も目の前でガチの親友で。中学卒業した時に最初に地元の仲間でバンド組もうぜってなって、遊びで。みんな楽器これやるこれやるって言って余ったのがベースだったので、わかんないけど陸斗がベースやるみたいになって。次の日朝早くチャリこいで中古屋行ってこいつの金で楽器買わせて(笑)。その日俺んちで1日合宿みたいな感じで1曲覚えさせました。

金田竜也 (Dr・Cho)  やばいね(笑)。

畑山 それで高校入った時に、ベースやってる陸斗とギターやってるもうひとりのやつと、ドラムと俺、4ピースでKALMAを組みました。

――その時には、もうこれをずっとやっていくんだみたいな決意というのはあったんですか?

畑山 どう? 俺それあんまり訊かなかったな、おまえらに。

斉藤陸斗(B) 最初はなかったですね。だから進学もしたし。バンドがこうなると思ってなかったから専門学校行っちゃって。で合格してからバンドがいろいろ動き出して……(笑)。

金田 俺はどっちにしろ音楽好きだったので、音楽の道には進もうと思っていたんです。バンドがうまく行かなくても音楽の仕事には就きたいと思っていたので。ずっとそんな感じで来ています。今も音楽の専門学校行っているんですけど。

――畑山くんはどう?

畑山 俺は、本当は3人で高校卒業してバンド1本で、っていうのがよかったというのが本心ですけど、今陸斗が言ったようなタイミングとかもあったし。俺も結構悩んでいたんですよね。就職してバンドやろうかとか大学に行こうかとか。でも俺は曲を作っているので、音楽やる人間としてしっかりしなきゃなって、ちょっとカッコつけて思っちゃったというか(笑)。それでフリーターの道を選んで、親を説得して。だから別にふたりが言っているのに対しても、好きなようにすればいいじゃんぐらいしか思ってないです。

ちゃんと聴いた人が背中押されるとか、そういう感じはずっとあって。それが力強く出ているのが“これでいいんだ”のラスト(斉藤)


――そんな中メジャーデビューをするわけですが、環境もやることもがらっと変わってきてると思うんだけど。

畑山 うん。メジャーデビューがゴールではないので本当ここからって感じなんですけど、親とかおじいちゃんおばあちゃんとか、今まで応援してくれたり心配してくれたりしたから、ちょっと恩返しじゃないですけど……それはみんなもできた感じしたっしょ?

金田 うん。

畑山 一握りの人しかできないようことだと思うんで、それができたのは嬉しいですね。でもあんまりメジャーメジャーしたくないので……したくないっていうか、曲もガッツリ変えようとは思ってないんで。“これでいいんだ”とかは「メジャー行っても変わらないぜ」とか「今までやってきたことは間違ってなかったぜ」っていう意味を込めた曲なんで。

――『TEEN TEEN TEEN』を聴いての感触は、確かに本当に変わらないKALMAがいるっていう感じなんだけど、一方で“これでいいんだ”はやっぱり力こぶ作りながら「変わらないぜ」って言ってるような気もするんだよね。その17ぐらいから今、19、20歳になっていく期間って、人間変わらないわけがないじゃないですか。

畑山 ああ、そうですね。

――だからその変化みたいのは自然に曲に出てきているなという感じがします。

畑山 うん。(2018年リリースの)『イノセント・デイズ』はほぼ全曲っていっていいぐらい「大人」とか「子供」っていうワードが入ってて。それはたぶん高校生の時だったから、先生とか親に対するうぜえって気持ちで「このまま子供がいい」って思ったり、逆に楽しんでる大人を見て「早く大人になりたい、車運転したい」と思うこともあったんです。でも高校卒業した今は逆に歌詞にあんまり「大人」とかが出てこないんですよね。

――ふたりはそのへんの変化ってどう感じますか?

金田 悠月の書く歌詞っていい意味で狭いというかほんとにリアルを書いてるんですね。だからやっぱりちょっとした成長でもめちゃくちゃ感じやすいというか。少しでも変わっているとわかる……意味わかる?

畑山 わかるわかる。歌詞が結構ローカルだし、自分もわかりやすいからってことでしょ?

金田 うん。リアルに人に寄り添う感じの歌詞なので。そういうところが変わっていってるって感じがするっていうか。

斉藤 ちゃんと聴いた人が背中押されるとか、そういう感じはずっとあって。それが力強く出ているのが“これでいいんだ”のラスト。説得力が増したかなって思います。

次のページ(今作は)今まで積み上げてきたピースを組み合わせて違うパズルを完成させたって感じなんです
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