KALMA、メジャーデビュー作『TEEN TEEN TEEN』に込めた「10代の集大成」

KALMA、メジャーデビュー作『TEEN TEEN TEEN』に込めた「10代の集大成」

(今作は)今まで積み上げてきたピースを組み合わせて違うパズルを完成させたって感じなんです(畑山)


――今回の『TEEN TEEN TEEN』に入ってる7曲っていうのはアルバムに入れるために作っていった感じなんですか? それとも日常的に曲を作っていて、それを集めていったって感じ?

畑山 アルバムに合わせるというより、ほぼ全部の曲、自然と作っていくなかで入れていったみたいな感じでした。で、できた感じのバランスがめちゃくちゃ良かったんですよね。緩急がすごくあって。『イノセント・デイズ』の時とか『DAYS EP』の時に僕「1曲1曲が主人公」ってめっちゃ言ってたんですよ。でも今回は聴いていい意味でそうだと思わなくて。曲が終わる時に「次の曲どんな曲だろう」ってちょっと期待してる自分がいたんで。

斉藤 うん、流れで聴いてほしいですね。

――このアルバムってメジャーの最初の作品だし、未来に向けての第一歩っていう意味合いもあると思うんですけど、一方では10代最後の作品として、今までやってきたことの集大成という意味合いもあるのかなと思うんです。だからこういう完成度の高いものになったのかなって思うんだけど。

畑山 ほぼその通りというか(笑)。細かく見ていくと1作目のアルバムの歌詞を入れてたりもしているし、でも聴いた時には全曲いい意味で今までなかったなって感じだと思うし。今まで積み上げてきたピースを組み合わせて違うパズルを完成させたって感じなんですよね。全曲そんな感じだったので、そういう意味で本当に集大成です。

金田 聴く音楽の幅も大きくなったんで。そこは結構変わってきたよね。

畑山 うん。いい意味で新しい部分を出しつつ、今までのオレらも出しつつ、その新しいのと今までのを「バーン」して「バーン!」って感じです。

――わかんねえよ(笑)。振り返るには早いけど、3年間とかやってきて19代後半の時間をバンドに費やしてきたわけじゃないですか。その日々っていうのはみんなにとってはどういう日々でした?

斉藤 思い出したら泣ける日々……。

畑山 そうなの?

斉藤 泣けない? 高校の時のバンドのこと思い出したら。高校の時、周りの高校にもバンドやってるやついっぱいいてさ。でもそいつらもだいたい就職したり大学行ったりして、もうバンドやってないっていうのが大半なんで。

畑山 がんばってる人たちももちろんいるけどね。あと、やっぱり、高校生活がいちばんバンドに影響しましたね。JOIN ALIVEに出たのもそうだし、TVに出るとか雑誌に出るとか。それが全部高校生活のなかにあったんですよ。そのせいで遅刻したり、先生に怒られたり。

斉藤 「飛行機で朝帰ってきたんで」みたいなこと言ってたんでしょ?

畑山 朝、東京にいて始発の便で東京から札幌帰って、そのまま制服で学校みたいなこともあったんで、そういう時は朝羽田空港で撮った飛行機の写真載せて「これから学校帰るよ」ってSNSに書いて(笑)。学校着くと友達とかに「おまえ朝東京にいなかった?」「そうなんだよね」みたいな。

斉藤 嫌われそうだな(笑)。


俺が曲書く時に結構大事にしてるのは、それぞれの人生だから好きなようにしたらいいじゃんってことなんです(畑山)


――でも、そういう経験をしているってことは、言葉を換えればほかのクラスメイトに比べると半歩、大人の世界というか仕事の世界に足を踏み入れているってことですよね。そういう経験はやっぱり音楽に影響を及ぼしている?

畑山 もちろんありますけど、なんか俺が曲書く時に結構大事にしてるのは、それぞれの人生だから好きなようにしたらいいじゃんってことなんです。俺、進路に迷ってた時期があったんですよね。周りの仲いいやつらはみんな学校決まったとかここで今度面接があるみたいな感じだったのに、俺は何も決まってなくて。どうしようって。それで友達にどうしたらいいのって相談したら「いや、俺らからしたらおまえのほうがうらやましいよ」って言われて。「最初はバカにしてたけど、おまえはちゃんとやって未来に向かってるよね」って言われた時に、俺も不安だったけどあっちも不安だったんだなって。俺があっちにいいよなって思ってる半面、あっちもおまえのほうがすげえよみたいな感じで思ってる――それってすごいなと思ったんです。それは今書いている曲にも影響してますね。おまえも俺も結局自分次第で決まるから、みたいなことなので。

――KALMAの曲って最初からそうだったと思うんですけど、たとえば大人になりたくないっていう反発みたいなものって多かれ少なかれみんな感じると思うんです。でもKALMAの場合はその感情が攻撃的に爆発するんじゃなくて、前向きなメッセージになっていくのが新しいなと思う。

畑山 暗い曲がないんですよね。俺……メンバーはウソだと思うかもしれないけど、ほんとにケンカめっちゃ嫌いなんですよ。昨日とかもケンカしたけど――。

――してるんじゃん(笑)。

金田 バカケンカしたよね。

畑山 でも俺から謝ったじゃん。

金田 俺もちゃんと謝ったよ。

畑山 いや、俺が謝ったよ!……まあいいや。

――ケンカしないでください(笑)。“TEEN”でも《オトナになんてなりたくない/なりたくないけど 変わりたいんだよ》って歌っていますよね。

畑山 俺4人兄弟なんですけど、親は「あんたが兄弟なんかでいちばん優しい」って言うし。だから、大人に対する思いも「悪いところばっかりじゃないぞ」ってたぶん思っているんですよ。それで「あんな大人になりたくねえ」っていうよりは「あんな大人にはなりたくないけど、俺らもいつかああなっちまう」みたいな歌詞になるというか。あと、なんか暗い音楽ってあんまり好きじゃないというか。聴いてて誰が幸せになるんだろうって思うんですよね。

金田 バッドエンドな感じはいやだよね。

――うん。それがKALMAのいちばんの武器だと思うんですよね。っていうのは、怒りとかネガティブな感情って長続きしないじゃないですか。

畑山 うん。俺ら3人で掲げてるバンドの目標が「ずっと愛されるバンドになりたい」っていうことなんです。今しか歌えない歌を歌うけど、その歌は10年後聴いてもいい歌だと思いたいし、10年後も歌えるような歌でありたいんです。だから歌詞を書く時も「この歌詞10年後まだ聴けるかな」っていう意識はもちながら書いてますね。

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