昨年配信された『KTEP4』は、この作品を引っ提げたツアー中に会場限定盤としても販売された。あのCDにのみ収録されていたのが、“shall we dance?”だ。メンバー4人の共作は初、ファンを泣かせるフレーズや言葉が満載など、注目すべき点は多いが、やはりしっかりと紹介しておくべきなのは、彼らの卓越したサウンドアレンジ力、ソングライティング力、演奏力だろう。この曲のテーマは「踊りませんか?」ということに尽きるし、素直に踊らずにはいられない仕上がりだが、「直球」という印象が変化球の連続によって成り立っている点に仰天せざるを得ない。4人の個性の大爆発を融合させながら怒涛の展開を遂げているのに、キャッチー極まりないと同時に、無邪気に先の読めなさに身を任せられるのがとんでもない。「高度なことをサラリとやりつつ門戸を広げる」ということができるからこそ、彼らは音楽的深みを増しながら幅広い層を魅了し続けていることが、これを聴くとよくわかる。KEYTALKの親しみやすいダンスサウンドの核にあるのは、小指1本で大男を投げ飛ばす武術の達人のような高度な技なのだ。(田中大)
(『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より)
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4人の合作による技あり1本
KEYTALK『shall we dance?』
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