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唐突な歌始まりも、サビ前のラテン的なピアノリフも、サビで華麗に転調するところも、ギターと歌だけが切なく響く落ちサビも、大サビで更にダメ押しでキーを上げるところも全部、かゆいところに手が届く親切設計スイートスポットガンづきでズルい! ズルすぎるし巧すぎる! ゲスの極み乙女が出てきたときみたいな「なんじゃこりゃ感」があるし、いかにも玄人受けする音楽性だなあという感じなのに、昨年リリースの“貴方の恋人になりたい”がバズりにバズって7億回再生を超え、アジア圏でも大ヒットを記録中という全方位的な爆モテっぷり。若者からも世界からも愛されているのはきっとサービス精神旺盛なバンドサウンドの賜物なのだろうけれど、それだけではなく、ノスタルジーの集合的無意識に訴えかけるふくよかなメロディとボーカル麗の無垢な歌声の魅力(魔力?)が全曲に滲み出ているからなのだと思う。とりあえずTikTokでしか聴いたことない人はまず、この“PRIDE”をフルで聴いて浴びて食らってください。(畑雄介)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年9月号より抜粋)
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