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待望のオリジナル新作曲。素朴なブレイクビーツにピアノやキーボードが加わり、のっけからリスナーをネオソウル風ブルースファンクの深みへと引き摺り込む。歌詞の内容としては日々ハードワークに勤しむ人々を労い、優しく鼓舞し、そして自らも奮い立つというものだが、つまりこれは藤井 風流の労働歌(ワークソング)だ。世界中のポップミュージックのルーツを辿ると、その土地に根づいたさまざまな労働歌に出会うことがある。“Workin' Hard”の強力に反復するグルーヴ感は、そうした労働歌の特徴とよく似ているのだ。そしてこの曲の最重要ポイントは、コーラス部分の歌詞がすべて英語で綴られていること。藤井 風はいよいよ本格的に、その音楽とメッセージを世界に向けて発信し始めた。しなやかにグルーヴする《Workin' hard》のフレーズは、世界中の生活者たちの胸の内で反復するだろう。次第に多重コーラスで膨らむ展開を含めた密室的なプロダクションは、人知れず情熱を滾らせる藤井 風自身の姿をも描き出している。(小池宏和)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年10月号より抜粋)
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