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5年ぶり6枚目となる、待望のアルバム。メジャーデビューして最初のアルバムだが、1曲目の“Money Money”から、《お前はいつも金の話ばっかでうるさいんだよ/金なんてあってもなくても良いんだよ》(意訳)と揺るがぬスタンスを表明。いつもながら、いや、いつも以上にメッセージ性の強い楽曲が並ぶ。政治や音楽シーンに踏み込んでいるような歌詞もあり、「パンクロックができること」を2023年にみずみずしく全力で発揮していて、頼もしい。鬱屈していた感情を解き放ってくれる、アグレッシブなバンドアンサンブルとタフなホーンの音色も炸裂。それでいて後半には《キミの誕生日にレストランを予約した》(意訳)なんて歌うスウィートな“Be My Reason”など、グッと世界観を広げてくる。ラストは、アルバムタイトルと同名の“Rest In Punk”。ひとつ単語を変えると見えてくる、彼ら流の切手のない手紙だろうか。彼らにとって大切な人、バンドに縁のある言葉が星のようにちりばめられており、強い感謝と決意を感じる。(高橋美穂)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年12月号より抜粋)
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