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これぞACIDMANだ。再生した瞬間飛び込んでくる力強いドラム、淡々と高速3連符を刻んでいくベース。歪みの中に透き通る音色を潜ませたギターの音色――。映画『ゴールデンカムイ』主題歌となったこの曲の力強くシリアスな疾走感は、“造花が笑う”や“飛光”あたりを思い起こさせる。とはいっても単なる原点回帰という印象ではなく、音の細やかな質感や包容力は近作と地続きだし、“輝けるもの”という「よくぞ!」と言いたい秀逸なタイトルも、何より《生きとし生けるもの達の》から始まるリリックの完成度も、これまでのキャリアがあってこそ到達した領域である。「長い宇宙の歴史の中では一瞬でしかない生をどう全うしていくか」という大木伸夫が四半世紀にわたって掘り続けてきた命題を、この曲では『ゴールデンカムイ』の世界観ともリンクさせながら綴っている。そしてクライマックスで歌われる《果てなき空に/答えなどない/瞬きの生命の光》という決定的ラインは、我々《儚き旅》を往く者たちの新たな道標だ。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年2月号より抜粋)
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