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前作『君と暮らしの真ん中で』で初めて外部からアレンジャーを迎え、より豊かなコードワークとダイナミックなサウンドスケープを実現させた彼女たち。今作はchef’sの高田真路が全曲のアレンジを担当し、キャッチーで煌びやかなサウンドデザイン、エモーション溢れるバンドサウンド、ストレートなギターロックと、各曲異なる趣を描き出している。

3曲に共通しているのは、サウンド面でも「なきごととは水上えみり（Vo・G）と岡田安未（G・Cho）の二本柱である」と印象づけていること。“グッナイダーリン・イマジナリーベイブ”は愛らしさのある水上のボーカルと凛々しい岡田のギターの、互いの意思と個性が共振する様子が小気味よい。緩急を巧みに用いた“生活”はそれぞれの存在感を堂々と示し、笑顔で走り抜けるように軽やかな“終電”も等身大の高揚が伝わってくる。隅々からほとばしる、ふたり組ロックバンドとしての爽やかな矜持。個々もバンドもさらに強度を高めていることを、健やかに証明する。（沖さやこ）

（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年3月号より抜粋）

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