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音楽シーンとも縁深い漫画家・浅野いにお原作の映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』後章主題歌。主演でもある幾田りらとanoが前章主題歌“絶絶絶絶対聖域”に続きタッグを組んでいる。キャッチーながらラジカルで狂気性も孕む“絶絶絶絶対聖域”とは打って変わり、語りかけるような幾田の3カウントからはじまる普遍的ギターポップとふたりの平穏な歌声は、滅亡に瀕した劇中世界とは一見不釣り合いにも映る。だが、ディストピアものでありながら青春譚な『デデデデ』の作品性と、背景にある震災や連載以降に現実世界で起きたパンデミックや戦争下でも妨げられない人の営みと青春のアンセムと捉えれば、この上ない仕上がり。合唱の意味も持つ「謳歌」の言葉通り、当代屈指のアイコンふたりが《何があっても完全無⽋のヒーロー/⼆⼈ならどうにかなるでしょ?》《声を⾼らかに/この歌をうたおう》と声を合わせる様は、まるで『デデデデ』誕生から10年のポップカルチャーと時代そのものの総決算のようだ。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)
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