バンド解散後5年を経てのソロ・デビュー作『アー・ユー・リスニング?』(※つい「アンタ、聴いてんの?」と訳したくなるのは先入観)に続く2作目も、世界中でヒットを飛ばしていた当時のテンション張りつめた状態から解放された、のびのびとした歌声を聴くことができる。現在は故郷アイルランドとカナダで2人の子供を含む家族とともに暮らしているというドロレスは、大いなる自然と母性の強さを得て、天賦の声をより本来的な形で使えるようになったのかもしれない。
引き続き共同プロデューサーを務めたダン・ブロードベックのサウンド・プロダクションが無難すぎるせいか、音的には少し面白みに欠けるきらいはあるものの、どの曲も彼女の歌を味わうには十分な内容だ。今こそ生で聴いてみたいとも思うが……来てくれますかね?(鈴木喜之)