もの凄い「紋切り型」

東京事変『能動的三分間』
2009年12月02日発売
SINGLE
東京事変 能動的三分間
椎名林檎の活動十周年を挟んで、再始動する東京事変。新シーズンに向けての第一投が、この新曲“能動的三分間”である。タイトルそのままラン・タイムは3分きっかり。文字通りの3分ポップスなのである。曲調は林檎がしばしば用いるキャッチーなディスコ文体であり、というか以前にも増してキラキラと、思いっきりディスコ・ポップしてしまっている。曲の展開やコーラスの重ね方など、わざとらしいぐらいに型に嵌っていて、その中に込められた歌詞は《三分間でさようならはじめまして》や《格付(ランキング)のイノチは短い》といったポップ・ソングの刹那と永遠性を歌い込んだものだ。確信犯なのである。型の中でどれだけ東京事変できるか、というトライアルなのである。日本語と英語、文脈の前後に掛かるダブル・ミーニングを駆使しつつ、バンドは自らに課したハードルを鮮やかに越えてゆく。

一方のカップリング曲は伊澤一葉作曲の“我慢”。ファンキーな曲だが、我慢する人のメンタリティがどれだけ混沌/殺伐としているか、をリアルな手応えで伝える歌だ。(小池宏和)
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