DOESって、骨太で男臭いサウンドだから、一見モノクロのイメージだけど、実はめちゃめちゃ目の前に鮮やかな情景を広げてくれるバンドだと思う。この両A面シングルの2曲は、それがわかりやすく表れているのではないだろうか。まず“夜明け前”は、風景と心境を美しく溶け合わせた歌詞に、切ないメロディと分厚いサウンドが躍動を与えていく、何が欠けても成立しないと思える楽曲。そして“チョコレート”は、Mary'sチョコレートのタイアップ曲で……とだけ書くと、まんまでは!?と思われそうだが、そこはDOES。ロックンロールのロマンティックな一面を、チョコレートに重ね合わせたかのように、あたたかなアコースティック・サウンドで描いている。また、この楽曲の《誘惑はシュガー/思い出はビター》というところは名フレーズだなぁとしみじみすると同時に、氏原ワタルはボーカリストであり詩人なんだと改めて思った。氏原の歌詞と、3ピースのバンドサウンドの化学変化が、鮮やかな情景を生む。シンプルにしてマジカルなことをやっているバンドだということを気付かされる一枚。(高橋美穂)