UKギター・ポップの果て

ザ・ロジャー『フラッシュバックス』
2010年03月17日発売
ALBUM
ザ・ロジャー フラッシュバックス
瑞々しく弾けるグッド・メロディと、今にも消え入ってしまいそうな信念の灯の如き美しいギター・ノイズ。リーズ出身のギター・ポップ・バンド、ザ・ロジャーの3作目となるアルバムである。オレンジ・ジュース~ベル&セバスチャンといった、スコティッシュ・ギター・ポップの影響を強く感じさせる。でもティーンエイジ・ファンクラブほどの勢いは込めません、というバランス感覚。柔らかい陽光に包まれているような、ときにはストリングスを絡めたりもするメロディとサウンドなのに、一貫して拭い切れない哀しみや諦念をも受け止めさせてくれる。

歌詞の言葉尻は聴く者に寄り添って懸命に支えようとしている。なのだが、フロントマン=ベンは今にも膝から崩れ落ちそうな声で歌うので、むしろ聴いているこっちが心配になってしまう。ほとんど自分自身に言い聞かせているような歌だ。でも、ロックに必要なのは導師ではなく生贄の方なので、ポップなパフォーマンスに成り得てしまっている。面白い。今はこういうサウンドのバンドはUSインディーの方にあって、UKでは絶滅危惧種かと思っていたが、まだまだ健在である。(小池宏和)
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