垣間見せる新たな局面

カイト『デッド・ウエイヴス』
2010年04月07日発売
ALBUM
カイト デッド・ウエイヴス
2nd『サイエンス・フォー・ザ・リヴィング』のリリース、そしてサマソニ&単独公演と続いた昨年の余韻も冷めやらぬ間に、早くもニュー・アルバムを完成させたカイト。当初はUKでのデビュー盤として予定されてたらしいが、結果、実質3rdとしてリリースの運びに。既発曲の再録も含めて、内容・位置づけ共に彼らの2010年代の門出を飾る作品となった。生音のドラムやベースでアレンジを施した既発曲に対して、新曲群で特徴的なのはエレクトロの比重を増したサウンド・プロダクション。カイトといえば、かつてのポスト・シガー・ロス的な評価とも連なる生音とエレクトロの融合がビジョンの一つとしてあった。しかし例えばM2やM5、M7では、所謂エレクトロニカに“回帰”した音響構築、またディスコ・ポップ的なエディットを聴くことができる。本作では初の外部プロデューサーを迎え、本格的なスタジオで制作が行われたと聞く。あるいは、まさに2000年代と2010年代を跨ぐように新旧楽曲を収録した本作は、彼らの中で一種の過渡期的な作品として捉えられている面もあるのかもしれない。具象と抽象の間を揺れ動く彼らの美観を再フォーカスした一枚。(天井潤之介)
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