『デイ&エイジ』のセッションと並行して書かれた楽曲に端を発する本作は、『デイ&エイジ』と背中合わせの作品であり、ブランドンの視点で固定され語られる物語は、キラーズの作品中でも最も顕著にベガスへの想いが綴られた『サムズ・タウン』のさらなる自叙伝バージョンと言ってもいいんじゃないだろうか。ダニエル・ラノワ、ブレンダン・オブライエン、スチュワート・プライスと豪華絢爛なブレーンが名を連ねているだけに、シンプル&ロウ・キーに流れがちなソロ作の類型ともこれまた全く異なるハイブロウな音響、キラーズらしいスケール感がしっかりキープされている。4ピースのバンド・サウンドの代わりにサウンドを華麗にドライブさせるのはストリングスだ。何と言ったって彼の故郷はベガスなのだ。しみったれた郷愁なんかに逃げるわけがないのだ。あの街に育った男のプライドが、キラーズと等しく本作を超級ポップたらしめている。(粉川しの)
終りでも始まりでもない、ただ一筋の道
ブランドン・フラワーズ『フラミンゴ』
2010年09月08日発売
2010年09月08日発売
ALBUM
『デイ&エイジ』のセッションと並行して書かれた楽曲に端を発する本作は、『デイ&エイジ』と背中合わせの作品であり、ブランドンの視点で固定され語られる物語は、キラーズの作品中でも最も顕著にベガスへの想いが綴られた『サムズ・タウン』のさらなる自叙伝バージョンと言ってもいいんじゃないだろうか。ダニエル・ラノワ、ブレンダン・オブライエン、スチュワート・プライスと豪華絢爛なブレーンが名を連ねているだけに、シンプル&ロウ・キーに流れがちなソロ作の類型ともこれまた全く異なるハイブロウな音響、キラーズらしいスケール感がしっかりキープされている。4ピースのバンド・サウンドの代わりにサウンドを華麗にドライブさせるのはストリングスだ。何と言ったって彼の故郷はベガスなのだ。しみったれた郷愁なんかに逃げるわけがないのだ。あの街に育った男のプライドが、キラーズと等しく本作を超級ポップたらしめている。(粉川しの)